LAPRASのミッション「最善の選択肢をマッチングする」を調査してみた(後編)

LAPRASのミッションについて

こんにちは。LAPRASのPMMをしている長廻と申します。

LAPRASを運営しているLAPRAS株式会社は、
「すべての人に最善の選択肢をマッチングする」というミッションを掲げ、
現状は「キャリア」分野において、
すべての人が「最善な転職」ができるよう、サービスを提供しています。

記事の前編では、その「最善の選択肢」とは何なのか?を少しでも確かめるべく、
実施した調査の一部をご紹介し、

  • 今の仕事、働き方が最善だと思えている割合は16.4%だった
  • 最善だと思える要因の大局はハーズバーグの二要因理論の要素でつかめそう

ということがわかりました。

後編では「最善の選択肢だと思う時期」「もともと知っている企業に最善の選択肢は多いのか」などの分析結果をご紹介していきます。

調査設計と前回の振り返り

今回、以下のようなアンケート調査サイトを利用したWeb調査を実施しています。

調査方法

  • 調査対象:全国のエンジニア周辺業種の方(転職経験あり)
  • 実施時期:2020/09〜2020/10
  • 調査手法:インターネット上のアンケート調査サイトを利用したWeb調査
  • 有効回答数:1,105

前編では「今の仕事が最善な選択肢だ」と思えている方の要因は、
ハーズバーグの二要因理論で出てくる要素で説明できる、とご紹介しました。

ハーズバーグの二要因理論では、働くモチベーションは「単純な加点方式もしくは減点方式」のみではなく、
「衛生要因」の不満要素がない環境が整えられていて、かつ、「動機づけ要因」が多い状態であればあるほど働く気持ちが促進されると説明されています。

- 動機づけ要因
    - 達成
    - 承認
    - 仕事そのもの
    - 責任
    - 昇進
    - 成長
- 衛生要因
    - 会社の方針と管理
    - 監督
    - 監督者との関係
    - 労働条件
    - 給与
    - 同僚との関係
    - 個人生活
    - 部下との関係
    - 身分
    - 保障

今回の調査で「今の仕事が最善な選択肢だ」と思えている方の「なぜそう思えているか」の回答をまとめると以下のグラフのようになっており、8割方がこの「ハーズバーグの二要因理論」で説明できます。

「最善な選択肢だと思う」理由は転職後の経過期間の長さによって変わるか

次に疑問に思うこととして、この「最善な選択肢だと思う」理由は「転職してからの時期」によって変わるものなのでしょうか。

たとえば「転職してから直後」の方と、「転職してから1年経った」方とでは、「もっとも良い仕事につけた」と思える理由が変わりそうです。

早速、「転職後3ヶ月以内」「転職後半年以内」「転職後1年以内」の3つに分けて、改めて「なぜいまが最善の選択肢の働き方か」の回答を見てみました。

転職後3ヶ月以内

年収が上昇したから
給料あがる
安定している
仕事にやりがいを感じられるかどうか
環境が良いから

達成感を感じられるようになった
仕事にやりがいを感じられるようになった
給料があがったから
年収が上昇した
自分が希望する分野の仕事につけて幸せな人生を送っているから
お給料です。
働きやすい

転職後半年以内

楽だから
満足感がある
自分に合っていると思うから
自分で決めた働き方だから。
他の選択肢と比較して一番良い判断だったと思う。
テレワーク最高

運がいい
なんとなく全体的にまあまあいい感じだった

転職後1年以内

楽しく働けているから
リモートでの出社のみも裁量制度も認められているので今の時代ではかなり満足できる職場の働き方が出来ていると思うからです。
条件が良かったので
理想とする働き方を理解してもらえる
自身の意見が通りやすい
楽しい

回答をまとめてみると、このような感じになりました。

こう見てみると、転職してすぐ3ヶ月以内だと、「給料」という客観的にわかりやすい要因が多かった一方、半年以上経過した人の要因は、入社後一定期間が経ってわかる「やりがい」の割合が多くなっていそうでした。

同一人物の時間経過に伴って質問したものではないため、確実には言えないものの、転職後の経過時間の長さによって、「最善だと思えている要因」は変わりそうでした。
つまり、その転職が良かったものなのかどうかを尋ねたいときに、たとえば転職直後に1回だけ、「この転職は良かったか?」と質問するだけでは不足だと推測できます。

本当にその仕事がよかったかどうかを聞きたいときには、転職半年後以降、ある程度その仕事を実際にするなかで、やりがいや労働環境について理解が深まったタイミングで聞くことが大事なのではないでしょうか。

もちろん、日々会社の状況が変化するなか、一時的な回答で最善だったかどうかを決めないことも大事ですが、少なからず転職後一定期間が経たないと正確に判断できなそうなことはわかりました。

「最善な選択肢」な人は元から知っていた選択肢だったのか

次に、「いまの仕事は最善な選択肢だと思う」と答えた人は、「転職する前から知っていた転職先」だったのでしょうか。

直近転職した会社について、知っていたかどうかを聞いてみました。

結果は、「もともと転職したいと思っていた会社」だった方は3割程度でした。
「いまの仕事は最善な選択肢だと思う」と答えた方の約7割の転職先は、「転職活動するまで知らなかった」もしくは「転職活動する前から知ってはいたが、転職したいとは思わなかった」会社という結果になりました。

「ここが一番いい」と思える選択肢は、いま知らないものかもしれない、ということが浮き彫りになりました。
考えてみれば、世の中に数多ある会社のなかで、現時点で知っている割合は微々たるものです。それ以外の数多ある選択肢の中に、自分が最も良いと思えるかもしれないものがある、のは不思議ではありません。

LAPRASでは、「最善の選択肢を選べる人を増やす」ための1つの大きな課題として、
「認知限界」というものがあると考えています。
人は、自分が選ぶことができるすべての選択肢を知りませんし、また、知ろうとすることは不可能です。
そんな中で、「自分にとって最もいいと思えるもの」を見つけ出すためには、代わりにすべての選択肢を収集し、分析し、提案してくれるシステムがあればいいのではないか、と考えています。

まとめ

今回のまとめは以下です。

  • 転職してから直後と半年以降とでは、「最善の選択肢だ」と思える要因が異なる。直後では「給与」などの客観的にわかりやすい要因だが、半年以降経つと「やりがい」などの実際に働かなければわからない要因が増えてくる傾向
  • 「いまの仕事が最善だ」と感じている人のうち、7割の転職先は「もともとは知らなかった」か「知っていたが転職したいとは思っていなかった」会社だった。自分の知らない選択肢が自分にとって最も良いと感じる選択肢である可能性は充分にありそうだということがわかった

調査を通じて把握できたこのような転職の実態を踏まえて、LAPRASでは、今後も「すべての人を最善な選択肢とマッチングする」ために、活動していきます。