執筆を続けたことが書籍出版や転職のチャンスを引き寄せた、Kento.Yamadaさんのアウトプット戦略【LAPRAS OUTPUT AWARD 202401】 受賞インタビュー「Kento.Yamadaさん」

エンジニア向けポートフォリオ&転職サービスを提供するLAPRASでは、2023〜2024年にアウトプットを頑張っていたユーザーの方を、LAPRAS OUTPUT AWARDで表彰させていただきました。

今回は、QiitaやZennでクラウドインフラ関する多数の記事をアウトプットされた Kento.Yamadaさん にお話を伺いました。そのインタビューの様子をお届けします。
「読んだ記事が誰かの役に立ち、次回作を期待される人になりたい」というKento.Yamadaさんにとって、アウトプットするということはどんな意味があるのでしょうか?

LAPRAS OUTPUT AWARD
過去一年間で最も精力的にアウトプット活動をされていたユーザーの方の中から、LAPRAS運営の独断で表彰させていただく賞です。選出基準は年間のアウトプット数が上位にあることと、LAPRAS運営と社内エンジニアの推薦制となっています。
受賞された方には副賞賞品、インタビュー記事掲載および、ポートフォリオにスペシャルバッジを掲載させていただきます。

         

ーーこの度はアワードの受賞おめでとうございます。まずはYamadaさんについて伺っていきたいと思います。

自己紹介・アウトプットを始めたきっかけ

現在、アイレット株式会社に所属しています。仕事内容としては、クラウドの運用・分析をメインにしていますが、最近はAI/MLの人気もあり、GeminiをベースとしたSlackbotの開発などを担当しています。

少しだけ経歴を振り返ると大学では情報学部の情報工学科を専攻し、卒業後は通信キャリアの子会社に勤務しました。そこではお客様先常駐という形でネットワークとセキュリティを担当するエンジニアと、開発エンジニアの2つの役割を経験しました。当時の役職はITスペシャリストと呼ばれるポジションでした。
さまざまなことを経験した中で、ご縁があって2019年の初頭にベストエンジニア賞というものをいただきました。社内の表彰ではあるんですけど、社内公募で300人のエントリーの中から選ばれました。それから就業・契約形態を変えながらも2022年9月に退職し、今の企業に落ち着いています。


Kento.Yamadaさん

アウトプットがきっかけで現職へ

ーー現職にジョインされたきっかけを教えてください。

現在の会社に入社したきっかけは、今回のテーマとなっているアウトプットです。弊社はリファラル採用というものをやっています。欲しいと思った人を誘えるいわゆる友達採用です。弊社の社員がこの人良さそうだと思った人をカジュアル面談や面接に招き入れて、さまざまな面を見てマッチしそうだったら採用する感じです。

※詳しいことは弊社の採用ページご覧ください
採用ページ:https://www.iret.co.jp/recruit/referral/

その頃、私はAWS CloudTechという日本国内最大級のAWSの学習コミュニティで、もくもく会と発表を続けていました。そこのコミュニティに現職の人が参加されており、そこで相談や発表をしたところ、「うちにこういう部署があるんだけどどう? 」と参加者様より誘われました。

 

ーーご自分で場を作られていたんですね。文字通りアウトプットで人生が変わりましたね

そうですね。その典型例かもしれません。

   

ーー声をかけられた時、転職などは考えられていたんですか?

正直なところ迷っていました。大企業の子会社でエンジニアとしてそれなりに収入があったので、ここでいいかなという気持ちと、挑戦しようかなという気持ちがせめぎ合っていた感じですね。挑戦するか、ここで安定を選ぶかというところです。
そもそも当時はオンプレミスを触れる業務で評価をいただいていたんですけど、個人的にはクラウドに触れた業務で評価されたいと思っていました。当時はまだAWSも触っていないガチガチの初心者という状況でした。

 

ーーYamadaさんのアウトプットを見ていると、2020年あたりからQiitaの記事投稿とか アウトプットが急激に増えてるような気がしたんですけれども、そのあたりで何かあったんでしょうか?

複数のコミュニティに所属していた時があって、そのコミュニティで私がAWS部というSlackチャンネルの部長をやっていたんです。そのコミュニティや先ほどのCloudTechでひたすらAWSのアウトプットをしたりしていました。
2020年は私個人として、「もっとクラウドに触れていきたい」と気持ちが変わってきた時期でした。元々オンプレミスで業務に携わっていて、もっとオープンなところのクラウドに行きたいと思い、実際にコミュニティで勉強会をしたり、自分自身も手を動かしてアウトプットをしたりという活動がどんどん増えていったという感じですね。

アウトプットのスタイル

普段どんなタイミングで、アウトプット活動をされているんですか?

1つは仕事の合間です。よく使うコードっておそらく他でも使うと思うんです。いくつか仕事を並行して対応しておりまして、さらに本を書いてるので
本を書く時に、ソースコードを何かしらつけるんですけど、一から書くのが面倒なんです。あの時書いたコードを使えたらいいなと思ったりします。もう一つは、登壇のため、あとは自分の興味ですね。もちろん、業務上知り得たことの中でも言ってはいけないような内容はアウトプットしないことを原則としていて、業務で学んだものは違う形でアウトプットしています。業務で使ったコードをそのまま使うということはしないです。

最近は記事へのリクエストも結構あるんです。 とある内容で1つの記事を書いたことがあったんですけど、めちゃくちゃバズりました。
簡単に説明すると、Seleniumの裏側の話を読み解いてその内容を詳しく書いたら、多くの人に読まれました。とくにWebDriverの話について、公式ドキュメントを読みながら「Seleniumってこういう風に動いているんだよ」という話を書いたのですが、今でも読まれている内容になっています。そこからコメント欄にこういう内容を頑張ってるんですけど分からなくて、というようなコメントも寄せられるようになりました。

2021年10月に発表、2024年2月の段階で36,000回読まれた記事↓

SeleniumなしでWebDriverを操作するには - Part1
https://zenn.dev/ymd65536/articles/e13f278a5d9803

当時、インターネットエクスプローラーが終わりますというアナウンスがあって、ブラウザのスクレイピングをやってる方って結構いたんですよね。
それをインターネットエクスプローラーではなく、新しいブラウザでどうやって実現するかという話をSeleniumとかWebDriverとかを使えばできますよっていろんな方が説明するんですけど、そもそもWebDriverってなんやねんみたいな人が多かったと思うので。そこにフォーカスして説明したという記事です。この分野は色々な製品が出ていて、業務であればそちらを導入した方が早いので、あまり解説なども出ていないんですよね。

 

ーー自分のアウトプットで、もっとこの辺聞いてみたいっていうフィードバックはなかなかもらえるものではないので、良いですね。

 

ーー継続してアウトプットやコミュニティをやっていくコツはありますか?

やること自体が目的にならないように気をつけています。
この時間には必ずこのテーマは終わらせて、その内容を違う登壇で出す、という感じです。時間をちゃんと有効活用できているか意識していますね。
コミュニティも勉強だけで終わってしまうとつまらないので、参加者の方と少し話して、最近どんなことで悩んでいるかとかどんなことに携わっているのかなどコミュニケーションをとっています。

だんだん自分のスキル上がっていくにつれて人脈もできて、実際に登壇の様子を見られてたりするから、声もかけられやすいし、どんどん良い循環が生まれていきますよね。

 

ーーアウトプットを拝見していると、Lookerから.NET、テストと幅が広いですね。

ビジネスでやっている分野と趣味でやっている分野で分けています。ビジネス的なものは声がかかることもあります。あとは会社がリセラー契約やパートナーシップを結んでいる場合はそこでの登壇機会が社内の募集でかかることがあるので可能であれば、そういうタイミングで積極的に参加しています。
趣味の範囲では.NETは趣味の範囲。私が最初のキャリアでお世話になった技術がMicrosoftの技術ということもあってその流れでやっています。

 

ーー書籍も出されていますね。

コミュニティ活動の延長線ですが、AWS CloudTechで本を出版することになって「1人じゃ手に負えないし、せっかくだから共著で書こう!」ということで共同執筆プロジェクトに参画しました。AWSエンジニア入門講座という本が自分が今まで書いた本の中でも1冊目なんですけど、エンジニアの多いコミュニティ、AWSエンジニアの多いコミュニティなので実際にベータ版を作ってみて、コミュニティメンバーに読んでもらいました。
かなり前の話ですが、無事に技術評論社様から出版されました。

『AWSエンジニア入門講座――学習ロードマップで体系的に学ぶ』CloudTechロードマップ作成委員会 (著), くろかわ こうへい (監修) 2022/1/19
https://amzn.asia/d/dAeHCsT

 

ーー確かに、アウトプットされてる実績がある人にまずお願いしたいというのはありそうですね。

それはあると思います。当時、AWS関連のブログを色々書いていて、 具体的には昔から用語を整理しながら学ぶシリーズっていうものをQiitaで書いています。これが大変好評ということもあってそれなりの実績となりました。

【AWS】用語を整理しながら学ぶAWS AWS Lambda
https://qiita.com/ymd65536/items/55c7f7a6d2a286ad1ec1

 

ーーQiita、Zenn、Blogを使い分けているようですが意図的でしょうか?

意図的に使い分けています。QiitaはAWSしかテーマにしないと決めてそうブランディングしています。ZennはハンズオンやGoogle Cloud、その他個人的に気になるSaaSなどを書いています。また、最近でははてなブログを始めました。こちらはAzureの話しかしていないです。勤務先ではiret.mediaというオウンドメディアを書いていますが、マニアックな内容だと読まれづらいのでそういった内容はQiitaやZennにも書くようにしています。iret.mediaでは業務で扱った技術の話や話題性のあるものを書いています。
なぜ、このようなこだわりを持つようになったかと言うと「本を出版する時に想定読者を細かく決める」ということを学んだからです。「出版社ってこういうふうに本を書くんだ」とインスピレーションを得て、それを自分なりの解釈に落とし込んで活用しています。その人が本を読んで自分のためになりそう、新しいことにチャレンジしたくなるようなことを書くように心がけています。

話は脱線するかもしれませんが、技術書典とかにもよく行くんです。毎年行って結構買うんですよ。20冊30冊ぐらい買うんですけど、全部読むんです。全部読んだ上で、この人面白いなとブックマークするんすよね。そういう人になりたい気持ちはありますね。次回作を期待される人になりたい。

 

ーーYamadaさんのアウトプットのモチベーションは、自分のメモ的なものではなく、誰かに届けたい、読んだ人にプラスの影響を与えたい、そういった思いで書かれているんだな感じました。

そうですね、自分が読みたいと思わないものはあまり書かないです。大半はやっぱり周りのためというか、あったら誰か読むだろうな、という物を書くようにしています。例えば英語のハンズオンをただ日本語訳したようなものは書かないんですが、ちょっとひねってそれをベースに違うハンズオンを作ってみるとか、そういうことをやっています。

最近のイチオシ

ーー最近のイチオシの記事はありますか?

最近だとiret.mediaに掲載したGemini Proの記事ですね。
みなさん記事を書くと思うんですけど。記事を書いた上で、その書いた記事の中にこれちょっと見せちゃいけないなみたいな画像がたびたびできると思うんですけどそういった画像から見せちゃいけない文字列が含まれてないかをGemini Proでスキャンする、という記事を書きました。

Gemini Pro VisionでGCS内の画像に秘匿情報が写っていないかスキャンしてみた
https://iret.media/94023

この記事にも貼ってあるんですが、昨年 Google Cloud Partner Tech Blog Challenge で受賞した記事もあります。最近はAI/MLが多いです。

Google製LLM「PaLM2」と対話できるLINE Botを作ってみた
https://zenn.dev/ymd65536/articles/cloudrun_linebot_palm2

 

 

最後に、LAPRASについて一言

ーーでは最後にLAPRASについて一言お願いします。

私自身はLAPRASは自分のスコアリングのためにやっておりまして、数値化できるところが他のサービスにない強みだなと思っています。その数値化の基準が、いろんなSNSなどを連携できたりするところが他のサービスにはない特色だと思うので、スコアリングして、自分の実績とか、パワーを測りたいっていう方は触ってみるといいんじゃないかなと思います。

 

ーーありがとうございました。来年もぜひアウトプットを続けてくださいね!

 

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