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2025年1月にリニューアルしたばかりの「LAPRASスコアv2.0」が、ユーザーの声を受けて「LAPRASスコアv2.1にアップデート!
技術イベントの登壇と参加を区別し、実態に則した技術力の可視化を実現しました。
新しいLAPRASスコアはこちら
エンジニアの皆さん、新スコアを実際に使ってみてどう感じていますか?
「新スコアについて、エンジニアの率直な意見が聞きたい!」ということで、今回はエムスリー株式会社のVPoE・ばんくしさんにインタビュー。
LAPRASを使ってみて感じたことやエンジニア業界の現状、工夫の学問「工学」について、そして今後のLAPRASに期待することをお話しいただきました。
新卒でSansan株式会社のR&D部門に入社し、画像認識エンジンや自然言語処理APIを開発。その後ヤフー株式会社で機械学習モデリングチームのリーダーとして開発、マネージメントに従事。2019年2月に機械学習エンジニアとしてエムスリーに入社、現VPoE。 Google Cloud の深い技術的理解や技術力、実績が評価されGoogle Cloud Champion Innovator (AI/ML)に選出される。
正当性と納得感が増した
― 新しくなったLAPRASスコアを使ってみて、どうでしたか?
この取材が決まってログインしてみたら、順位が落ちていて「許せねえLAPRAS!」って思いながら来たんですけど(笑)。それは冗談として、私個人としては正当に評価されているなと思いました。
VPoEになって2年ほど経って、OSS活動はコツコツやっていましたけど、技術面でのコミット量はだいぶ減ったので、自分の位置を改めて確認できた感じですね。
マネジメント系の職種はスコアが下がる傾向にありそうなので、ビジネス力で上げていけるように頑張っていこうと思います。改善するための行動に繋がるKPIのような指標があるとわかりやすくていいですよね。KPIハックになりすぎるのはよくないと思いますけど、自分にとって意味あるスコアを追う形で、より良い活動ができる状態はどんな成長にとっても大切だと思います。
― LAPRASとしても納得感を大切にしたいと考えていて、ユーザーさんのコミュニティと共創するスコアとして、今後も発展させていく予定です。
みんなで一緒につくると、みんなに納得してもらいやすいメリットはありますよね。ただ、その分みんなの意見が詰まった結果、平均的な面白みのないものになりがちだと思うのですが、その辺りはどうやって調整しているんですか?
― コミュニティと対話しながら進めていくのを前提として、ハンドルはこちらで握り続けないといけないとは思っています。
そうですよね。みんなそれぞれの希望は違うし。例えば登壇の機会が多い人は登壇スコアを上げてほしいし、OSSへのコミットが多い人はそこを評価してほしいと思うし、LAPRAS側がバランスをとっていかないと難しいですよね。機械学習分野でもこういった「評価」は1つの大きなカテゴリになるほどです。
あと、エンジニアのユーザーはリアルタイム性を求める傾向があると思います。プログラミングのように、コードを入力したらすぐ結果が返ってきて、そのサイクルにみんな慣れているから、同じ速度で「今、自分がやったこと」を評価してもらいたいというか。
その点では、リアルタイム性が下がっちゃうと、長期的に続けるモチベーションにはなりづらいと思います。ユーザーを巻き込んでリアルタイム性も改善していくと、長いスパンでスコアを上げるための行動をしていく必要性も理解できると思うので、面白い試みだと思いますね。
技術力に向き合い、議論し続ける
そもそもエンジニアの技術力をスコア化した結果、どういう世界観を目指しているんですか?
― スコアに限った話ではないのですが、LAPRASとしては頑張っているエンジニアがちゃんと評価されて報われる世界を目指しています。
なるほど。評価されるべき功績があるのに、現実として光りが当たっていない人に、どうやって当てていくのかはエンジニア界のテーマですよね。
実際にスポットライトが当たっていない場所で悩んでいる人を、どのように正当に評価するかに向き合い、技術力という抽象的な概念を議論し続けていくことは大事で、業界にとっていいことだと思います。
その反面、ちゃんと色々な指標や観点で評価しようとすると、評価方法は難しくなりがちですよね。色々なところからスコアを集めてきて、重みづけして、それを簡単に数式で書けるかと言われると、全然書けないみたいな。
―本当にそうですよね。新スコアでは、相対性の取り入れ方をシンプルにしました。前ver.では、ある種パラメトリックなアプローチをとっており、バックグラウンド処理で計算した統計量を使ってスコアを算出していました。一方、新ver.では、母集団の中での順位を計算して、その場でノンパラメトリックにスコアに変換するというすごくシンプルな形になりました。その代わり、リアルタイムで順位が変動するようになってしまったんですが…。
面白いですね!リアルタイム性を活かして、技術力上げ大会とかもできるかもしれない。記事の評価やコミット内容の評価より、もっと大きい部分のパラメーターを調整していく話になっていきそうですね。パラメーターを変えると、順位の変動もガラッと起きるのかなと。
ーそうですね。順位の変動をより妥当なものに近づけていくために、新しい評価軸で測れるようにしていきたいです。
成熟した業界に「工学」で切り込む
― 過去に書いた記事や、昔の実績をどこまで現在評価すべきなのかは賛否両論ありますが、ばんくしさんはどう思われますか?
賛否両論が生まれる背景は二つあると思っています。ひとつは「新しい情報こそが価値」的な、最近のカルチャーです。AIで開発の速度も早くなり、新しい考え方やフレームワークなどが短いスパンで出る時代なので、これまでの実績や貢献よりも、新しい知識や技術をアウトプットしている人を評価する流れに、どうしてもなりやすいんですよね。
もうひとつは、逆転の難しい業界になってきていること。公募で登壇者が決まるテックイベントがあっても、結局はこれまで実績を積み上げてきた、すでに名が知れているエンジニアが登壇しているケースが多いと思います。
昔は20代前半で技術カンファレンスのメインステージに立って「今の最先端はこれなんですよ!みなさんは古いんです!」みたいな、ちょっと過激な発言ができたんですけど、今は新しい人の枠が昔に比べて縮小されていると感じます。
そうなると、やはり古い記事や過去の技術じゃなくて「今頑張っている俺たちを見てくれ!」っていう人が増えるのは必然な気がします。
もちろん、新しい情報だけでなく古典的な深みのある知識はエンジニアにとって非常に重要だと思っていますし、個人として時代を切り拓いてきた過去の功績、それらを支えている地盤も評価されるべきだと思うし、良い悪いでもなく難しいところです。年代別の技術力スコアが必要なのかもしれませんね。
でもこの状況は、業界が成熟してきた証だとも思っています。シニアの皆さんが作り上げてきたエンジニアという業界、職業がメジャーになって「この業界に入って技術力を上げたい、名前をあげていきたい」と考えている若く新しい世代のエンジニアがたくさんいるからこその流れなので。「この業界もここまで来たか」という感じがするし、未来ある業界だと感じられて嬉しいです。
これからエンジニアを目指す人たちに、エンジアリングを楽しんでもらったり、技術に対する思いを上げてもらったりといった視点で、LAPRASスコアをアップデートしていく方向性もあると思います。
― 素晴らしいですね。今後LAPRASは何に取り組むべきでしょうか?
具体例を挙げられるわけではないんですけど、私はエンジニアリングの面白さや楽しさを測るとしたら、「工夫」だと思います。
エンジニアリングは工学と書くだけあって「工夫の学問」なので、問題に対して工夫する力が技術力だと考えています。
技術力にも色々あると思いますが、知識の深さや手数の多さだけではなく、アウトプットを通した業界への貢献や、ものをつくるときに新しい考え方に挑戦したかなどが、総合的に評価されていくといいですよね。
人それぞれオリジナルのやり方もあるので、あまりに踏み込むと計測が難しいですが、工夫という観点で技術力を評価できるようになるといいと思います。
貢献を引き出し、引っ張る存在になってほしい
― 今後、AIを使って技術記事を書くのが当たり前になると、LAPRASスコアでは力不足になってしまうのではという懸念があります。そういった時代の変化についてはどう思われますか?
これは難しい問題ですよね。私は、マネジメント層の中ではOSSなどで結構コード書いてるほうだと思うのですが、コードを書くときに検索する機会がほとんどなくなりました。AIに聞けば大体のことは解決してしまうので。検索するのは、新しいフレームワークや、考え方を知りたいときだけです。
AIに聞いてコードや、技術記事を書いてもらうのが当たり前になっていくと、自分でアウトプットをする機会がなくなって、技術記事の文化自体が廃れるのではないかと思っています。
私は、アウトプットも工学のひとつだと考えているので、「自分はこういう工夫をしたよ」ということを、自分の言葉で発信するアウトプットの文化はずっと残ってほしいですね。
自分のやり方や考え方が世の中に伝わって、それを見た誰かの人生に影響を与えたり、自分の人生が豊かになったり、業界に貢献していけるのがエンジニアリング、工学の面白いところだと思っています。
LAPRASには、その貢献を引っ張る存在でいてほしいです。LAPRASスコアがあるから良いアウトプットができて、結果的に業界への貢献もできる。そんな存在になってくれるといいなと思います。
― そのような存在になれるように頑張ります!ありがとうございました!
〜編集後記〜
AIが進化する中で、エンジニアとしての技術力について議論させていただきました。業界が成熟してくる中でエンジニアの評価は難しい部分がありますが、アウトプット文化はやはり大事だと思い、認識を新たにしました!ありがとうございました。
今後もユーザーの皆さんからの声をお待ちしています!
ご意見はユーザーコミュニティからお願いします。
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