「受託開発エンジニアから、自社開発エンジニアへ」 プロダクト開発で顧客に価値を届けたい

「LAPRASユーザーインタビュー」では、LAPRASをきっかけとして転職や副業を経験されたエンジニアの方へのインタビュー記事をご紹介しています。今回は受託開発企業から、自社開発企業に転職された上山さんにお話を伺いました。
今後のキャリア形成に悩んでいるエンジニアの方や、エンジニア採用担当の方はぜひご一読ください!

<プロフィール>
Tebiki株式会社 上山 さん
受託開発企業でエンジニアとしてのキャリアをスタート。バックエンドエンジニアとして、1年半ほど従事。その後、転職した会社でスクラムマスター兼開発者として働いたのち、1社を経て、 2024年8月にTebiki株式会社にてプロダクトエンジニアとしてジョイン。

受託開発企業から自社開発企業へ

―現在の業務内容について教えてください

Tebiki株式会社にてプロダクトエンジニアとして働いております。

―いままでのキャリアについてお聞きしても良いでしょうか?

2021年から受託開発企業でエンジニアのキャリアをスタートしました。
バックエンジニアとして1年半ほど働いたのち、自社開発企業に転職し、スクラムマスター兼開発者として働いていました。その後、1社経験したのち、現職に至ります。

―転職の動機は?

自社開発企業でプロダクトを通して、顧客に価値を届けたいと思っていたからです。
受託開発企業だと、納品義務がありますし、お金をもらわないと追加開発はしないスタイルが基本になり、自分のやりたいことと一致しなかったので転職しました。

直近の転職だと、SaaSを通して顧客に価値を届けられる、そんな環境に身を置いてみたい価値を届ける体験をしたい、環境に身を置いてみたいという気持ちがあり転職しました。

知識をいかに自分の知恵にして、普段の活動を仕事に活かしていくか。

―エンジニアとして日々どのようなアウトプットや貢献をされていますか?

広義のアウトプットとしては、エンジニアとしてコードを書いたり、バグを直したりみたいなところで、プロダクトのインクリメントを出したりなどを中心にアウトプットしております。

スクラムマスターという役割としては、アジャイルの価値観に沿った行動や言葉選びを心がけています。自分が組織というシステム組織の中のシステムの一部として、「自分と関わる他のシステム」に対しても、良い影響を与えられるような行動をとりたいと考えています。

―エンジニアとしての考え方などを綴ったブログ記事も拝見しました。記事でアウトプットすることも多いのでしょうか?

今までは記事をメインに執筆活動をしていましたが、今年度からは積極的に登壇機会を増やしたり、今まで自分が経験してきたもの、 学んできたものを伝えようと活動しています。
個人的にパーソナルナレッジマネジメントという個人知識管理の領域に興味があり、学ぶことに対して体系的なシステムを紹介する本をZENNで書いています。

エンジニアという職業は、知識が重要な職業だと思っていて、
「知識をいかに自分の知恵にして、普段の活動を仕事に活かしていくか」が求められる職業だと思っています。その延長線で効果的、かつ効率も両立した形で知識を獲得、管理していくかみたいなところがパーソナルナレッジマネジメントです。

SaaSプロダクト開発とスクラムマスターに注力したい

―今回転職した理由をお聞きしても良いでしょうか?

SaaSプロダクトを開発したい、スクラムマスターをしたい気持ちがあり、その両立を目指していたからです。

―会社のどういったところに惹かれ入社を決めましたか?

CEOが、プロダクトに対してすごい熱意を持っていると感じました。エンジニア以外の社員もプロダクトへの理解度が高く、特にセールス部門も「開発フローに組み込まれてるシステムの一部」といった印象を受けました。
会社の開発フロー設計ができていて、「会社全体でプロダクトを大きくしているんだぞ」という雰囲気に惹かれました。

あとは、アジャイルを全面的に取り入れてるところや、EMの方とアジャイルや組織論の話で盛り上がったのも大きかったかなと。
SaaSプロダクトを持っていても、分業してみんなで作ってる感がない会社は避けていたので、会社全体で作ってる雰囲気があったのも入社を決めた理由の1つです。

―今回LAPRASを使って転職されたと伺ったのですが、どのような経緯でしたか?

スカウトメールが来て、カジュアル面談をして、という流れですが、実は今回転職した会社は、以前の転職活動の際にカジュアル面談をしたことがあった会社でした。
知っている会社だったので親近感があり、転職候補として優先度が上がったのかもしれません。

―転職体験全般について、重視しているポイントを教えてください。

―LAPRASでは数多くの見た求人票を見たと思いますが、気になった部分はありますか?

事業内容、業務内容を世間一般的な書き方にしてしまっている求人票はもったいないなと感じました。求人票とはいえ、自社の取り組みが具体的に反映されている方が見る側としては魅力を感じます。

また、欲しいエンジニアの役割が理解できていないと思う求人票もありました。
例えば、ある程度アジャイルに対しての理解を持っていると、求人票の業務内容を見るだけで、「この会社はアジャイルに対してそんなに理解度がないな」ということがわかってしまうんです。もし、その役割の人が欲しいのであれば、アジャイルに対する理解を高めなければいけないと思います。

―欲しいエンジニアの役割が理解できていないと思う求人票の例などありますか?

極端な例だと、スクラムマスターの役割でプロジェクトの進捗管理みたいのが入った瞬間に、「あ、ここはスクラムマスターじゃなくてプロジェクトマネージャーが欲しいんだな」と思ってしまいます。それはスクラムマスターの責務範囲ではないよなと思ってしまうので、そのあたりでしょうか。

―スカウト文で重視することや気になったポイントはありますか?

スカウト文に、自分が気になっている言葉が入っているかどうかを見ます。例えば「スクラムマスター」という言葉が入っているかですね。
また、当たり障りのないテンプレ文ではなく、自分にパーソナライズされている内容であったり、アジャイルを知っている人じゃないと書けないような観点が織り込まれていたりすると、一度話してみようという気持ちになります。

―カジュアル面談で重視することや気になったポイントはありますか? 

僕自身が対話をできることを重視しています。

対話をすると考えたときに、カジュアル面談において、「うちの会社はこんなにいいんだぜ」みたいな紹介をしてくださる会社さんもいらっしゃるんですが、悪いことではないなと思いつつ、興味を持つか持たないかぐらいの段階でそのアプローチをされてしまうと、少し一方的で顧客を見ない文化の会社なのかなと思ってしまいます。
もし自分が求職者だったら、カジュアル面談でどういうことしてほしいんだろうなということを考えているかどうかは見ているポイントです。

「最善のマッチング」のため自身の文脈と、企業の文脈の重なりを考える

―今回の転職はどのくらい「自分にとって最も良いもの」でしたか?

良かったなと思っています。
今まで自社プロダクトで生計を立ててる会社の中で働いたことがなかったので、温度感だったり、どこまで本気なのかみたいなところを体験できる環境の中で働けてることに感謝しています。

日本でアジャイルに対して真摯に向き合えてる会社はまだまだ少ないですし、そこに経営レイヤーの理解まである企業になると本当に少なくなってしまうので、その中で見つけられて、マッチできたのが良かったなと思います。

―会社の文化はどうでしたか?

会社の文化としても、カジュアル面談の時点で僕の方から対話という形で聞かせていただいていて、選考フローとしても、体験入社があったので、そこで直に社内の雰囲気などを感じることができました。より解像度が上がってアンマッチな部分は少なかったと思っています。

―エンジニアにとって「最善のマッチング」とは何だと思いますか?

自身の文脈と、マッチング対象の企業の文脈の重なりだと思います。純粋に技術的スキルを伸ばしたいと考えているのであれば、分業が強い企業で専門性が高く求められる企業とマッチングすると幸せだと思います。

逆に、僕みたいなプロダクトを通して誰かに価値を届けて、社会を少しでも良くしていきたいなみたいな気持ちがあるのであれば、プロダクト開発に力を入れて、アジャイルがあって分業がほとんどないような企業とマッチした方が充実した人生を送れると思います。
エンジニアであろうとセールスであろうと、表面上の情報だけじゃなく、文化だったり価値観みたいなところをすり合わせながら、毎回企業さんとマッチングできるといいのかなと思います。

―転職されるエンジニアへのメッセージ

エンジニアという職業は能力主義に苛まれやすい職業なのかなと思っています。
高い専門性だったり、スキルセットによる全能観だったり、悪い意味はないんですが、LAPRASスコアのようなスコアリングによるランク付けも能力主義につながりやすいと思っています。

ただ、逆にエンジニアだからこそ、不確実性の高い社会に適用すべく、能力主義から脱却する可能性のあるアジャイルというものが身近にあるんです。
市場価値を高めるとかスコアを上げるみたいな開発的なところばかりに惑わされずに、
自分自身のスキルを通して他者と関わり合って、どういう現実を生み出していきたいのかを見出して幸せになってくださいとお伝えしたいです。

ーー ありがとうございました!

取材・執筆/永井亮