まつもとりーさん、LAPRASのことどう思いますか?

エンジニアから見てLAPRASはどんなサービスなのか、どんな点が良くてどんな点が悪いのか、ユーザーから率直に意見をいただく本企画。前回のばんくしさんへのインタビューに続いて、今回はまつもとりーさんにお話を伺いました。

《プロフィール》
まつもとりーさん(@matsumotory)
本名:松本亮介。
2008年に現場の技術を知るため修士に行かずにホスティング系企業に就職したのち、2012年に異例の修士飛ばしで京都大学大学院の博士課程に入学。インターネット基盤技術の研究に取り組み、mod_mrubyやngx_mrubyなどのOSSを始めとした多数のOSSへの貢献や学術的成果を修める。

2015年4月より2018年10月までGMOペパボ株式会社にてチーフエンジニアとしてプロダクトのアーキテクトやエンジニア組織のマネージメントに従事すると同時に、ペパボ研究所では主席研究員としてOS・Middleware・HTTPに関する研究、及び、事業で実践できるレベルまで作りこむことを目標に研究に従事。
2018年11月より現職のさくらインターネット研究所で上級研究員を務める。

LAPRASのことは好きです。サービスの体験は一番良いと思います

ー LAPRASのことを最初に知ったのはいつですか?

確か、Twitterのフィードで流れてきたんだと思います。あ、今調べてみると2019年の4月11日にLAPRASについて言及している自分の投稿がありますね。
自分のアウトプットをスコア化するということについては、必要なことだと考えていたので、LAPRASの情報がTwitterで流れてきた時に目に留まったんだと思います。

アウトプットをスコア化する、そして何かに活用するということは難しいことだという印象をずっと持っていました。
例えば採用。候補者のアウトプットを必要な情報に変換してスコア化するというのは難しい問題ですよね。でもこういった取り組みにはずっと興味を持っていました。

ー ご自身のページを見てどう思いましたか?

わかりやすかったです。他のスコアリングするサービスと比べて体験がぜんぜん違う。たぶん体験は一番良いと思いますよ。
私が最初にLAPRASにログインしたら、すでにおおむね良い感じにアカウントが紐付けされていたのを覚えています。

ただ、当時はアカウントが紐付いた後にその修正(紐付け解除や連携追加)ができずに困ったところもありました。現在は改善されて、自動に紐付ける機能に加えて、それを手動で修正できるのでとても扱いやすいです。

ー 嬉しいです!ありがとうございます。

私はLAPRASのこと好きですよ。このロゴもかっこいいですよね。
GitHubだけ、Twitterだけをスコア化するというものはいくつかありますが、いろいろなサービスをうまく連携しつつスコアリングできるサービスはあまりないですよね。LAPRASはいろいろなサービスを一気に連携できるし、その体験がログインする前からすでにできているという早さがちょっと驚きでしたね。

あとは少しずつ機能が更新されているのもいいですね。スコアの変遷を見られるようにしてほしいと伝えようと思ってたんですけど、取材前に自分のページを見たら機能追加されていたのですごいなと思いましたね。

スコアの定義がより明確になれば、LAPRASはもっと良くなる

ー 良いところばかりではなく、悪いところ、改善した方がいいところについても伺ってもいいですか?

悪いところ……ネガティブな意見は特にないですが、技術力、ビジネス力、影響力という3つのスコアがどういう意味で定義されたのかということは気になりますね。

ビジネス力や影響力のスコアを上げるにはどうすればよいのかがわかりにくい点。スコアを上げることにどんな意味があって、ユーザーはこのスコアに対してどんなモチベーションを持てばいいのかがイメージできていません。
スコアが高いということが「何かしらでプラスに働く」ということに繋がると思って定義したのだと思いますが、それが何なのかがもっとわかりやすくなるといいと思います。
他はすごくいいなと思っていますよ。

ー ありがとうございます。おっしゃるとおり、スコアの定義をもっと明確にしていくことが大事ですね。これは社内のPdMにも共有させていただきます。話が変わるんですが、松本さんはさくらインターネット研究所でどんなことをされているんですか?

インターネット、データセンター、クラウド、ホスティングサービス、その基盤の研究開発をしています。
研究開発がエンジニアリングとどう違うのかというと、「新しいかどうか」が求められるということです。基盤技術の中で新しさのあるものを作り出す、ということをしています。

ー 日頃のアウトプットで気をつけていることはありますか?

今は論文や発表スライドといったアウトプットが多いですが、昔はなにかやったら必ずブログに書くようにしていました。月にかなりの本数を書いてましたね。
2012年くらいに会社を辞めて大学に入り直した頃に、自分のやったことをどれだけ細かくしてアウトプットするかが大事だと知りしました。
日々のエンジニアリングの中でやったことを細かく、実績として分ける意識をしているとそのままブログに書けるんです。

ー 細かく実績を分けるのはなんでですか?

エンジニアリングやっていると「いろいろな作業をやっていたら結果としてうまくいった」というようなことがあります。そこできちんと振り返って、自分がどういうことを試してみて、どう考えてどうやったからうまくいったのかということを整理して、人が読んでも分かるようにメモするんです。そうすることで、何が重要だったのか、何を学んだのかを見落とさないようになります。

ー 他にも気をつけていることはありますか?

これは研究をやっているからかもしれませんが、一番心がけているのは前提を一致させることです。
例えば技術の評価をする時にも、「この観点ではこちらが優れている」と前提を示すようにしている。
個人的な視点だけで発信してしまうと、前提が合わないまま評価してしまうことが多くあります。
研究ではそれはNGです。前提を一致させたうえで、前提が変わると他の技術の方が優れていると言うなどフェアに評価するようにしています。
エンジニアのアウトプットでもそこは気をつけた方がいいポイントだと思いますね。

インターネット上と現実の自分を一致させることでもっと自由に生きられる

ー LAPRASはオープンデータから自動的にプロフィールを作成しています。自分の知らないところで、公開している情報が集約されている、それについて松本さん個人としてはどう思いますか?

インターネットはオープンな世界です。こっそりブログや別のアカウントを作ってもいずれ紐付けられる。それはインターネットリテラシーとして、これからインターネットを使う人が理解しておかなければいけないことだと思っています。
もし情報が集約されていることを嫌がる人がいたとしても、それはLAPRASのサービスの問題というよりは、その人のインターネットの使い方が抱える問題なのかなと思っています。実際に自分がアウトプットしてしまっている事実ですので。

私自身はインターネットに出していることはそのまま使ってもらって問題ないという考えです。
現実で出せない情報はインターネットでも出さないようにしています。インターネットの自分と現実の自分を一致させるようにしています。
そういった考えから、個人的には情報が集約されるのはいいことだと思いますね。

ー インターネット上の姿と現実を一致させるというのはなんでですか?

それは自由に生きたいからです。
私は制限なく自由に生きるためには、自分のオープンなところは外に出していった方が生きやすいと考えています。

一方で現実でも発しないような情報はインターネット上でも出さないようにしています。
例えば、悪口や陰口とかリアルな生活では耳に入ってこない情報もTwitterを使うと当たり前に目に入ってしまいます。仮に私がインターネット上で悪口を言って、誰かが「自分のことを言われてるな」と感じて、対抗して私の悪口を言ったりする。インターネット上だと見たくないようなやりとりも周りからも見えてしまいます。

現実では発しないことをインターネットだからといって発信することで、インターネットの悪いところが加速して、誰かが傷ついたり、良いことでも発言しにくくなったり、より不自由な世界になってしまうと考えていますね。

ー その考えにはとても同意します。LAPRASでも会社の実態をありのまま発信するようにしています。ありのままを発信することで、会社もメンバーも自然体で自由にいられる気がしています。

インターネット上でのコミュニケーションについては、もう一つ大事なことがあります。
LAPRASについての意見を私が話す時に、こういう風に直接あってお話しているのでネガティブに捉えられずにきちんと議論になります。もし私がTwitterでキリッとツイートしてしまうと感情的に受け取られてしまいます。

「インターネット上での指摘は感情は置いておいて内容だけを見よう」とよく言われますがそれは多くの人にとっては難しいことです。テキストのコミュニケーションで、感情を抜きにして受け取るというのは人間にとって限界があると思っています。

一方で、ポジティブな影響や話を広げるにはインターネットは圧倒的に良いツールです。現実の世界では繋がれない人や、届けられない人とも良い関係性を築くことができる。インターネットをうまく使えば社会や人間関係をもっとよくできると考えています。

ポジティブな情報、ネガティブな情報など、内容によって伝える場所も分けていかなければいけない。インターネットを研究していてとても感じることですね。

ー 最後に、LAPRASに期待していることを教えていただけますか?

技術力以外のスコアも設けているということは、「技術力だけではその人を測れない」とLAPRASは考えているのだと認識しています。採用においても、いくら技術力があってもその会社に入ってうまく一緒にやっていけるのかということは判断できないと思っています。
なので、人間性とまではいわないまでも、一緒に働いてもうまくいきそうだという技術力以外の部分を表現できると、よりLAPRASを使うことの価値が生まれると思いますね。

それをできるだけテクノロジーで解決できるといいなと思います。
LAPRASはテクノロジーで課題を解決したいという想いを持っているサービスだと思っています。
なので、今お話した課題に対してもアナログではなくテクノロジーで解決しようとチャレンジしてくれるなら、私としてもすごく楽しみです。

ー ありがとうございました!


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