企業はLAPRASポートフォリオをどう見ているのか?前編

LAPRASを使って転職活動や副業・フリーランス案件の獲得をされている方は、企業側がポートフォリオのどの部分を見ているのか、気になることも多いのではないでしょうか。

今回は、「LAPRAS SCOUT」でスカウトのサポート業務を担当しているエンジニアのみなさんから、エンジニア採用担当としての目線でポートフォリオをどのように見ているのかについてお話を伺いました。前後編に分けてお伝えします。LAPRASポートフォリオを充実させる一つの指針として、ぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. メンバー紹介
  2. 通常の採用業務ではどのような書類を見ていますか?
  3. 職務経歴書のフォーマットについて
  4. 自分の技術を採用側に伝えるには?
  5. 採用担当はポートフォリオ付き書類があると採用を進めやすい?
  6. 見せたいリポジトリは必ずピン止め
  7. 職務経歴書の分量と内容
  8. まとめ

メンバー紹介

ーー今日は、実務でもエンジニア採用の経験があり、LAPRAS SCOUTの業務を手伝っていただいている3人のエンジニアの方に来ていただきました。まずは自己紹介をお願いします。

小谷さん(以下、小谷)>
本業はアスクル株式会社でエンジニアリングマネージャーをしていて、エンジニア組織の中途・新卒の採用に関わっています。

横江さん(以下、横江)>
前職でエンジニアチームのリーダーをしていて、面接を主に担当していました。
現在は副業で採用のお手伝いをおこないつつ、本業はエンジニアをしていて、Railsを主に書いています。

北山さん(以下、北山)>
採用業務は、前職でエンジニアチームのリーダーとして中途、新卒の採用をしていました。今は、フリーランスで受託開発をしていてRailsなどでコードを書いています。
1人でサービスの受託開発をしていてフロントエンドもやって、アプリも作っています。

メンバーの画像

通常の採用業務ではどのような書類を見ていますか?

ーー普段の採用業務では転職者のプロフィールをどのような流れで見ていますか?

小谷>
エージェントや一般的な採用媒体を使用した採用業務だと、経歴については本人から届く職務経歴書を見ることが一番多くて、9割5分くらいは職務経歴書だけですね。

横江>
ポートフォリオを載せられる転職サービスが増えたけど、今でもそうなんですね。変わらないんだ。

小谷>
そうそう、変わらない。
なので、いい意味でフォーマットに則った書き方で時系列に沿った経歴が書かれていて、そこに、その人が扱える技術についても書かれています。

例えば、Java、Rails、AWSなどが羅列されていて、このくらいの技術は触ったことがありそうだ、ということが推測できます。しかし、実際にその人がどのくらいコードを書けるかは職務経歴書だけでは分かりません。

職務経歴書の他に自己PRもあるのですが、これもフォーマットが用意されているので内容が似たものになりがちです。

ーーどんなことが書かれているんですか?

小谷>
顧客折衝経験や、学習意欲がありますなど、そういったものが多いです。

横江>
小谷さんが採用で使用されているサービスの中で、他にポートフォリオを見ることができる媒体はありますか?

小谷>
ないですね。

ーー候補者が自らポートフォリオを送ってくることはないんですか?

小谷>
あまりないですね。5%も無いくらいです。

横江>
GitHubのアカウント名が書いてあるだけでも珍しいくらいですからね。それが5%くらいかも。

北山>
そうですね。

ーーちゃんとしたGitHubのリポジトリが付いているだけでもアピールになりますか?

全員>
そうですね!それだけで違います。

横江>
そう言っている自分も、自分の職務経歴書にGitHubのリポジトリを書いていないんですけどね。
採用する側からしたら、書いてあるに越したことはないですね。
 

ヒント
“GitHubのリポジトリがついているだけでもアピールに。”

職務経歴書のフォーマットについて

ーーポートフォリオが職務経歴書に載っていないのは何故なんでしょうか?

横江>
職務経歴書はフォーマットを見て書くので、
フォーマットにポートフォリオを書く欄がないと、たとえ技術ブログを持っている人でも、「職務経歴書に載せよう」という発想になりにくいのです。

ーーなるほど、受託開発向けの職務経歴書のサンプルが多数出ているからでしょうか。

横江>
そうですね、
・何年から何年、ここで仕事をしていたということが時系列になっていて
・最後に、どんなことが自分はできるのか、スキルを羅列する
この内容で完結しています。

小谷>
例えば、『Rails(他人に指導が可能)』というフォーマットがありますが、
主観が大きく入りますし、具体的にどのようなスキルがあるかが分かりづらいので、エンジニアのスキルの表現としてはあまり良くないフォーマットだと思います。
 

ヒント
“ ポートフォリオがついている職務経歴書は珍しいからこそ、つけることでアピールになる。”

ーーLAPRASも最近職務経歴書の登録代行を始めたんですが、ご自分のスキルのところに、〇〇ができますと記載している方がいらっしゃいますね。あれは一般的なフォーマットの書き方なんですね。

北山>
そうですね。一般的なフォーマットの種類は3つくらいありますね。

横江>
フォーマットに沿った職務経歴書だけでは実際の技能がわからないため、面接ではそれを確かめるような質問をすることも多くあります。

ーーRailsが書けます、アプリが自力で作れますと職務経歴書に書いてあるだけでなく、実際に作ったアプリがポートフォリオとして添えてあったら、あらかじめ確認できますね。

全員>
面接の前にどのようなコードが書いているかが分かるのは、非常に嬉しいですね。
 

ヒント
“実績を裏付けるために、ポートフォリオとセットにすると、できることの確信が深まる。”

自分の技術を採用側に伝えるには?

ーー色々な勉強会に行っているとか、多くの記事を書いているとか、さまざまな技術に触っている、というのがポートフォリオでわかれば採用のチャンスは広がりますか?

横江>
勉強会もそうですが、GitHubのリポジトリに色々なものをUPしていると学習意欲があると伝わるし、できるということが伝わると思います。

北山>
実際に私が、採用活動中に出会った面白いケースがあります。
工場に勤めている、全くのエンジニア未経験の人が応募してくださったんです。なんとその人は、工場の事務業務をプログラムで効率化していて、その方が現場で書いていたコードを送ってくれました。

そのコードがとてもしっかり書かれていて、「できる! 未経験でこれはできるぞ!!」となり、是非お会いしてみようということになって、面接をしたんです。

面接でお話を伺ったところ、やはりとても学習意欲が高くて、すぐに戦力になると確信しました。私から強く推薦して採用になったんです。

そして入社後に、僕のところにOJTで配属されました。会社としてはお前が推薦したんだからお前が責任とれ!という意味なんですが。
バックエンドエンジニアでの採用だったんですが、データベースのことはご存知なかったので、私が教えました。半年から9ヶ月後には1サービスの運用リーダーになっていたので本当にすごい方でした。
この方の能力を理解して採用できたのは、実際のコードを見ることができたからです。

特に業務経験が浅い方は、経歴に書ける内容がどうしても少ないので、履歴書や職務経歴書に加えポートフォリオがあることで可能性が広がる事例でした。

素晴らしい職務経歴書があっても実際に聞いてみないと分からないことも多いので、きっかけを作るためにも、GitHubなどで実際に書いたものを見せていただけると嬉しいですね。

横江>
今の北山さんの話は、コードの添付がなければ面接にはならなかったわけですよね。能力のある方を見つけるきっかけが1つでも多くなるのは嬉しいので、ポートフォリオは是非見たいです。

 

ヒント
“経験が浅い方こそ、ポートフォリオを活用することでチャンスを広げられる。”

採用担当はポートフォリオ付き書類があると採用を進めやすい?

ーー従来の職務経歴書だけの場合とポートフォリオもある場合だと、採用プロセスはどのように違いますか?

小谷>
具体的にどういう手の動かし方ができるかを見られるのが圧倒的に違います。
職務経歴書だと、こういうプロジェクトで、設計、製造、テストと書かれているだけで、具体的には面接でお聞きしようという流れが通常ですが、ポートフォリオがあったり、GitHubにリポジトリを持っていたり、Speaker Deckに資料を上げているだけで、
その人が具体的に

  • どういうコードを書くのか
  • どういう考え方をするのか
  • どういう調べ物をするのか
  • どういうアウトプットを出すのか

を推察できるので、その人の頭の中や考え方の傾向が会う前に見えてくるんですよね。そこは圧倒的に違います。

横江>
どういう技術に興味があるかもわかりますよね。
テストコードを書くのが好き、などが、GitHubやQiitaの記事などでわかります。

ーーコードまで見に行ったりすることは多いですか?

小谷>
わりと見ます。少なくとも、リポジトリに潜ってREADMEは絶対に見る。

横江>
その人がRailsをどこまで書けるかを見たい時はソースまで見ますね。Rubyっぽい書き方でなければ、それほどRailsの業務経験は多くなさそうだなとあらかじめ分かったりします。どこまで深く読むかは採用目的によりますね。

小谷>
プログラミングスクールに通っていた方などに多い例ですが、スクールで最終的に作った成果物をHerokuに上げていて、そのURLをポートフォリオとして載せていることが多いのですが、それはあまり見ていないです。

Herokuに何か立てるのは、ある程度勉強した方ならできてしまうことで、Herokuに簡単なRails アプリケーションを載せているだけだと、Webサイトを作ることができる事は分かりますが、採用側からすると実務でどうご活躍いただけるか推測しにくいのです。

シンプルすぎると参考にすることが難しいので、もう少し変わったことをしている部分が見えると嬉しいです。例えば、AWSに構築していたとか。
発想する力や、計画に対してどのくらい手を動かせるかが分かると、「その人がどのような能力を持っているか」を、より具体的に理解することができます。

北山>
Herokuに上がっているアプリのコードを見て、モデルが3つくらい、コントローラー2つくらいにコメントも無く書いているようなケースは、エンジニア採用担当としてはなかなか「ぜひお会いしたい」という印象にはなりづらいです。このような場合、実務能力を推し測るのが難しいんです。

コードは中までしっかり見ます。
例えばRailsの場合、annotateというgemを使ってモデルにスキーマ定義を書き出すことが出来るのですが、それを使ってメンテナンス性を意識していることが伝わると、受ける印象はずいぶん違います。
ですから、Gemfileの中身を僕はよく見ます。

一同>
ああー、見ますね。

北山>

また、READMEは一番最初に目に入るものです。そこが雑だと何を見ていいのか分からなくなるので、しっかり書いてもらえると嬉しいです。

横江>
とはいえ、成果物がサーバにUPされていると採用側としてはとても確認しやすいですよね。

 

ヒント
“見ているのは、作品だけではない。考え方、進め方、伝え方”

見せたいリポジトリは必ずピンどめ

ーー沢山あるポートフォリオの中からどうやって良いものを見つけますか?

北山>
たくさんあるGitHubリポジトリの中から、見るべきものを探すのはとても大変な作業なので、GitHubのピン止めの機能を使っておすすめのリポジトリをピン止めしてもらえるとすごく助かりますね。
ファイル数が多いものがザクザク上がっていて、どれを見せたいのかを明確にするにもピンどめはいいですね。何より簡単。

横江>
GitHubのピンどめ機能を使っている人があまりいないので、ぜひピンどめして自分の代表作を目立たせてほしいですね。
採用担当も人間なので、良いリポジトリを探しきれなくて練習用に作ったリポジトリを見に行ってしまうこともあり得ます。

ーーLAPRASの場合、職務経歴を書かれてない方も多いのですが、そういう時はどうやって判断してますか?

小谷>
採用担当としてはポートフォリオとは別に職務経歴はやはり、見たいです。

どういう職種に志向性があってやってきているのか、例えばSIをやってSEに興味を持ったとか、ずっとWebフロントやっているなど変遷を見たいというのはありますね。現在お持ちのスキルも大事ですが、採用しようとしているポジションがその方のキャリアにとって適切な選択なのか?も採用担当は考えているんです。

職歴が載っていないと、結局探しに行ってしまいます。どこかに参照できる職歴がないかと。

横江>
実際、サーバーサイドエンジニアかインフラエンジニアかは、アウトプットだけ見ると分からないこともありますね。なので、職種もはっきりと記載した方が分かりやすいです。
 

ヒント
“職務経歴書とポートフォリオは両方あることで解像度がグッと上がる。”

職務経歴書の分量と内容

ーー職務経歴書はどのくらいの分量と内容があるといいですか?

小谷>
最低限、会社名、勤続年数、職種があると良いですね、
職種は例えば、サーバサイドかフロントサイドかがわかれば十分です。

北山>
これの他に、使用した言語やフレームワークがあればいいですね。Rails、Go、Pythonとか。

横江>
使用言語が職務経歴書に書いていないと、その人がいた会社の採用ページを見て、扱っている言語を確認しに行っちゃいますね。

一同>
行きますね、それは本当にやる!

北山>
たまにあるケースとしては、職務経歴書上だとGoに興味があるのに働いている今の会社にはGoの技術スタックがないようなので、趣味でやってるのかなと考えてGitHubを見に行くなどですね。
 

ヒント
“職務経歴書には最低限、会社名、勤続年数、職種、使用言語を書く。”

まとめ

採用側は、職務経歴書に書いてある実績や、能力、人物像を確認するために面接を行いますが、事前にポートフォリオによる転職者の考え方、仕事の進め方、過去に手を動かした実績からより具体的に転職者を理解することができます。ポートフォリオをうまく活用すると、転職過程でのミスマッチを減らしたり、チャンスが広がるきっかけにもなります。

ーー後編に続く

後編では、採用側が「ポートフォリオから想像する人物像の捉え方」を踏まえて、多数ある技術ブログやSNSをどのように選び、整理しアウトプットしていくことで、転職活動で有効に活用できるかをお伝えします。