大企業にいるからこそ副業する意味とは? 副業で『スキルの幅』を広げる。

<プロフィール>

@inai17ibar さん
情報系の大学院卒業後、日本の大企業電機メーカーでHCI(Human Computer Interaction)、UI/UXの研究開発に従事。ARやVRの応用などのプロジェクトで研究開発を行っている。学生時代の研究テーマは、機械学習系。

LAPRASを通じて副業されている方のインタビューをお届けします。

今回は、大企業電機メーカーで研究開発を行いながら副業を経験された、@inai17ibarさんにお話を伺いました。

副業を始めたきっかけはLAPRASで来た「急募」

― 本業の業務内容について簡単に教えてください。

主に研究開発を行っていて、自分たちで企画からプロトタイプの開発、検証し、事業部に貢献するということを一気通貫して行っています。

本来は大企業だと分業されてることも多いんですが私の部署はちょっと特殊で、企画から検証まで一括で行っています。

具体的には、UI/UXのプロトタイプの実装や検証をしており、Unityを使ってVRなどのアプリケーションを作ったりしています。機械学習だったらPythonも使いますし、Androidアプリを書いたりもしますし、必要に応じて技術を選定してソフトウェア開発をやることになっています。

― 副業内容について簡単に教えてください。

2月から4月末までやっていました。
画像処理に関するアルゴリズムエンジニアの求人ということでやらせていただいておりました。
PythonとC++のコードを書くっていうことがメインで、主にやっていたこととしては、高速化のためのアルゴリズムの追加と、コードの高速化を行う業務です。

―副業を始めたキッカケを教えてください。

1つは、LAPRASさんから個人向けな急募みたいな形で、『こういう案件はどうですか?』というメールをいただいたことがきっかけです。それがちょうどアルゴリズムエンジニアの案件でした。

アルゴリズムエンジニアは私が業務でやってることではないんですけど、仕事でアルゴリズムの専門家と関わることもあり、私も多少開発をすることはできるので、やれるかもしれないと思いました。最近だとWebやアプリ開発のエンジニアの求人ってすごい多いと思うんですが、 私自身Webには強くないんです。

私はアルゴリズムや機械学習のような開発の方が得意でした。C++も学生時代の研究で経験がありましたし、一部のユーザー向けに送られてきたメールだと思い、いいきっかけだなと思って応募させていただきました。

もう1つは、現職だと達成感を得られていなかったというのが理由です。研究開発では、開発したものが実際に顧客に使われるということは多くないので。
一般的に、業務委託だと仕事のミッションも明確ですし、達成してほしいことややってほしいということが明確です。この仕事なら、自分のスキルアップができたり達成感を感じることができたりするのではないかと思いました。
お金の部分ももちろんあるんですけど、ちょっと忙しくなってもより充実した生活を送ることができるんじゃないかなと思って仕事を受けました。

副業では、本業でしづらいスキルアップに挑戦できた

― 副業で得られた経験はありますか?

個人的には「すごくある」と思っています。
本業はあらゆるUXプロトタイプを作っているというすごい漠然としたことだったので、Web業界ではないフルスタックなエンジニアスキルというのは市場だと、評価されにくいものだったと思うんです。すごいニッチというか。

画像処理のアルゴリズムという職種で、3ヶ月という短い期間ですが、顧客へのリリースを意識した業務に携わることができたっていうのはすごくいい経験でした。履歴書にも書かせていただくことが増えて嬉しいです。

あとスキルアップとしても、C++は今まで書いたことはあったんですけど、本当に高速化を意識してコードを書くということは今までなかったんです。実際にやってみると、Python版よりも相当早くなりましたし、元々C++で書かれていたコードに対して、3倍から5倍ぐらい早くすることができました。
元々1秒は切ってほしいねみたいなことで言われていましたが、予定よりも高速化することができたので、そこは副業先の方にも喜んでいただけたと思います。そこは自分の中でも結果を出すことができたなと感じ、満足が得られました。

―大企業にいても副業するメリットはありそうですね。

最近の大企業では、副業が可能になるという流れがきていると思います。私の会社も副業可能ということにはなってるんですけど、部長と人事の承認が必要でした。

私が部長に説明するにあたっては、スキルアップができるという点を説明しました。今の部署だとできないことができるということも部長らに説明しましたが、それをまさに副業によって達成することができたかなと思っています。

―なるほど、スキルアップの目的を達成できたということですね

本業の仕事でもアプリの高速化する可能性もありますし、画像処理もやることはありえるので、もしそういう仕事が回ってきた時に会社としても個人としても知見を生かすことができるんじゃないかなと思ってます。

―会社外でも経験値を得てレベルアップしているイメージですね。

社内の上司にも、会社の外で働くことで経験を磨くことができるっていうのはすごくいいんじゃないかと思っていただいてたので、スキルアップができて良かったです。

―本業との両立について

全然問題なかったです。

現職では何か業務に追われてる状態じゃなく、残業がほとんどないような状況でした。業務委託先からも週の上限が16時間っていうように言われていたので。

16時間だと、土日8時間ずつで終わりますし、余裕があれば平日に2時間ずつ3日ほど行えば、休日5時間ずつやればいいっていう感じになります。
実際に多くの週は休日も半日以上の休みを取れていました。業務委託先が求めていた時間と私の空き時間がちょうどフィットしていたのがよかったかなと思います。

—ありがとうございます。副業にどれだけ時間を割けるかを見極めるのは重要ですね。

そうですね。今の会社はフレックスで割と働き方が自由ではありますけど、 正社員をしながらフリーランスような業務時間の副業をするっていうのは厳しいと思います。16時間だったり、20時間っていう時間での業務委託というのは、なかなか依頼するのが難しいと思いますが、副業をやってみたい正社員の方にとっては理想的だと思います。
副業に取り組む時間がその程度の時間でないと、受け入れることはできなかったと思います。

例えば、40時間の契約だと正社員が副業としてやるのって無理だと思いますね。20時間ほどの求人があると世の中というか副業がもっと流行っていくんじゃないかなとも感じますね。

副業を探さずとも、最善のマッチングはLAPRASがやってくれた

― LAPRASに知ったキッカケを教えてください

LAPRAS自体は社名変更前の「scouty」時代に知りました。当時、スタートアップなどに興味があり、Tech Crunchのイベントに参加して創業者の方などに話を聞いていました。
GitHubなどのデータを見て、エンジニアのスキルを見える化するサービスっていうのはいいなと感じていました。

―なぜLAPRASに登録しようと思ったのでしょうか

GitHubとかのデータを見て、スキルを見える化することで自分のモチベーションだったり、スキルへの課題意識を高めることになるかなっていうのが1つです。

あとは周りのエンジニアで登録している人がいたのも理由の1つですね。
正直GitHubは会社ではともかく個人ではあまり活用できてなかったので、個人開発のモチベーションを上げるためにも登録してみようと思いました。結果的に、LAPRASがスキルを見える化してくれたところ副業などいい話をいただけたので良かったです。

― LAPRASを通じた副業について

LAPRASさんが私のプロフィールを見てくださり、アルゴリズムエンジニアの案件でこういう案件がありますよというメールをいただいて、応募をすることになりました。 

私も日々副業を検索しているわけではなかったので助かりました。
あとは、LAPRASは副業のサービスよりも転職とかの方がメインなのかなと思いこんでいたので、副業を紹介するサービスがあることをメールで知りキッカケに繋がりました。

― 実際にメールが来た際にどう思いましたか?

通常、副業の求人いただく時は正直私には技術的にマッチしてないかなとか、時間の面で難しいかなとか思うことはあるんですけど、今回お受けした案件に関しては、技術的にも時間的にももしかしたらやれるんじゃないかなと感じました。

求人概要のリンクから詳細を見させていただくとアルゴリズムエンジニア、ベクトル計算C++というキーワードが書いてありました。業務委託で関わった具体的なアルゴリズムに関しては、私自身仕事では経験がないんですけれども、私の周りのエンジニアがやっている話を聞いたこともあったので勉強しながらだったらできるんじゃないかな、と思いました。

実際の業務委託の実務に関しては、先方のマネジメントしているエンジニアさんとのコミュニケーションがすごくやりやすかったですね。
最初のミーティングの際に、担当のエンジニアさんが重要な部分に関して「こういうところが把握できてれば大丈夫ですよ」と言ってくれていたので、コミュニケーション面で安心できました。マネジメントの方と現場のエンジニアさんと面接をしましたが、採用の仕方もよかったのかなと思いました。
 

― 副業に限らず認識の齟齬が生まれないようにするのは重要ですよね

お互いに齟齬がなくコミュニケーションが取れるのが最初とくに大事かなと思います。私も無理にできますというタイプではないので、現実的に難しかったらちょっと難しいですと言うように心がけています。
正直に言っていく中で「ここは分かってなくても大丈夫です」など、先方が何を求めているかというのを伝えてくれました。

私も先方の意図を理解することができ、コミュニケーションミスが最初に発生しなかったのが、個人的にはうまくやれたかなと感じている理由ですね。

― LAPRASを今後どう使っていこうと思っていますか

この案件で得られたことは想像以上に大きかったですし、金銭的にもメリットが大きかったので、また利用させていただきたいなと思います。LAPRASですぐに転職っていうことよりかは、色々幅広く見ていきたいなと思っています。スキルアップをしたいという気持ちが強いので、またフリーランスや副業という形でマッチするものがあれば嬉しいなと考えております。

ーLAPRASがもっとよくできる部分はありますか?

業務ではGitHubや、GitLabのプライベートレポジトリで結構コード書いてるけど、プライベートではコードを書いてないっていう人も結構多いと思うので、
彼らのスキルをなんとか可視化することができたりすると、隠れた人材を見つけることができてよいなと思います。

多少コードをかけても、個人開発で何作ればいいかわからないっていう人は多いと思います。私もチュートリアルやJypter notebookで少し試してみるくらいはやっていましたけど、実際にGitHubのリポジトリにするほどのコードではないからと公開しないエンジニアも多いと思います。オープンソースの文化がないこともあり、実は力のあるエンジニアさんってまだまだ日本にもいると思っています。

大企業にいるからこそ副業で業務の幅を広げ、スキルアップすることも必要

― 大企業にいるエンジニアが副業をすることについてどう思いますか?

私自身はもっと活発になればいいと思っています。

語弊を恐れずにいえば日本だと、雇用の流動性があまり高くないと言われてますし、特に今回のアルゴリズムエンジニアは、流動性が高くはないほうではないでしょうか。

Web業界とかだと1〜3年で転職する方も多いと思います。私がいる大企業電機メーカーとかだとそういうことはめったにないです。私の場合は、私のやっているHCIの研究領域やARやVRといった業界では、自社と同じようなことができる会社ってあまり世の中に多くはないんです。

大手電機メーカーに関していえば、競合メーカーと行ったり、自動車など他のメーカーでエンジニアをやるということが多いと思います。
能力の高い機械学習エンジニアや画像処理エンジニアは、Web業界や機械学習の専門の会社に移るっていうことはあったりするんですけど、市場での需要が高くない他の領域のエンジニアはなかなか本業でやってることは転職希望先と繋がらなくて、スキルアップも転職も難しいと思います。

日本の大企業だとジョブ・ディスクリプションがないので、1つの仕事をしてスキルや職種の専門性を伸ばせることはなくて、いろんな雑務に忙殺されてるエンジニアが多いと思います。例えば、打ち合わせがすごく多いとか、別の役職や職種を兼任しているとかですね。ソフトウェアエンジニアなのにコードを全然書けていないという方も多いと思います。外注先や下請けにコーディングや技術的なことを任せてしまって、技術的なスキルがつかないこともありますね。スキルアップが難しくて転職もできないし、副業もしにくいし人材の流動性が低くなるということもあると思ってます。

Web業界だとよく聞くのはプロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャーが、何人もいて何をつくるかを管理して、コードを書くことに集中できるという環境があるイメージがあります。そのような環境だとエンジニアのコードを書く能力を高めることができ、エンジニアとしても成長できるかなと思います。

こういうフリーランスの機会をいただけると、普段とは「少し」違ったエンジニアの業務にも挑戦できてスキルの幅も広がりますし実績を積むことができます。次のステップで自分も他の仕事ができるかもしれないと思えるきっかけになりました。

―なるほど、ありがとうございます。

日本の大企業のソフトウェアエンジニアの扱いに関しては課題を感じています。自社のせいかもしれませんが、多くの企業はソフトウェアの開発や運用能力を軽視していて、ビジネスの重要な要素になると考えていないように感じます。DXやAIの実用化によってソフトウェアは差別化の要素ではなくなると思います。これからソフトウェアエンジニアも会社にとってますます重要な人材になるのではないでしょうか。
そこが解消されて、エンジニアの副業も増えて、日本企業がもっと元気になっていくといいなと思います。

― これから副業しようとしているエンジニアへのメッセージ

私も副業は考えてはいたんですけど、他の副業紹介サービスとかも見させていただいた中で、長い間、自分にマッチする求人がありませんでした。副業を希望する多くのエンジニアが自分にマッチする求人に出会えるような何かのきっかけがあればいいなと思います。

私の場合は本当に運が良く、LAPRASさんからプロフィールを見ていただいてマッチングすることができたので感謝しています。 

ただどうやったらそのようなマッチングが増えるかというのは悩むところですね。
特にWeb企業だったらWeb業界の中で求人があるかもしれないですけど、大企業やシステム系の会社だとJavaのような人材流動性が低い分野の技術を扱っていたり、コンピュータサイエンスの基礎をおろそかにしているエンジニアもいると思うので、自分でも勉強する必要があるかなと思います。
日本にはそういう苦難を抱えているソフトウェアエンジニアが多いと思います。私も、次の副業もできたらいいなと思ってますし、自身のスキルや経験の問題もあって難しいところもあると思いますが、同じエンジニアとして一緒に頑張っていきましょうという感じです。

ーーありがとうございました!

取材・執筆/永井亮

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