概要
2022年11月にLAPRAS株式会社がエンジニア向けサービス「LAPRAS」のユーザーを対象に副業についての調査をさせていただきました。結果として約80%(全体回答数427名)のエンジニアの方が「副業に関心がある」と回答されており、多くの方が副業に関心を寄せていることが伺えます。
今回は副業エンジニアを積極採用されている、株式会社アンチパターンの代表取締役 CEO 兼 VPoE の小笹さまにご登壇いただき、 企業が副業のエンジニアに求めることは何か?つい声をかけたくなる副業エンジニアのプロフィールにはどんな特徴があるのか? など、エンジニアが副業案件を獲得するために必要な情報について迫っていきます!
副業市場について
まずは、現在の副業市場についてLAPRAS Freelance(現在はサービス終了)事業責任者の清遠から共有をさせていただきます。
国内企業の副業の容認状況について
清遠:
国内企業の副業を容認状況に関してですが、現在74%の企業が現段階で副業容認しています。どんどん副業をやっていこうやっていこうと促進されている状態でしょう。
※参考:株式会社クラウドワークス「副業データブック2022年版 21P」より
副業参画先の企業規模
清遠:
その中でも副業参画しているエンジニアの方は、だいたい五割ぐらいがベンチャー企業で大手の案件はわずかと、ベンチャー企業を中心に副業の案件が増えている状況です。昨今は資金調達もあり、LAPRAS Freelanceのベンチャー企業にあたるクライアント様に関しましても、高単価な案件が増えてきているなと個人的に感じております。ベンチャーだから単価が低いみたいなことはなく、しっかりと能力がある方に関しては、それに見合った対価を頂けているのではないのかなと思っています。
企業目線では
清遠:
企業目線の話しをさせていただくと、今のエンジニアの方、転職活動中のフラグの方は少数となっております。ただ、スタートアップがどんどん増えていく中でエンジニアが欲しいという企業が増えております。ここがすごいギャップとなっている状態ですので、ベンチャー企業は副業として優秀なエンジニアを採用する。その中で正社員化であったりだとか、副業のリソースをうまく使ってプロダクトの推進を強めていくというところが増えているのではないのかなと思っています。
LAPRASユーザーの副業実施状況
清遠:
実際に去年の11月頃にLAPRASのユーザーに対して副業の意欲調査をさせていただきました。副業をしたことがある方に関しては55%と半数以上の方が副業をしたことがあると回答しています。
LAPRASユーザーの関心状況
清遠:
副業に関心がある方は80%弱います。ただ、その中でも実際探している人は2割ぐらいしかいない状態のため、思っていても動けてない人が多数いるというところを認識していただくといいかなと思います。なので今から自分自身の市場価値をあげていくために動くとよいかなと。
簡単にまとめると、ベンチャー企業を中心に副業を求めている企業も多くなってますので、今回はアンチパターンさんをおよびさせていただいて、アンチパターンさんがどのようにやっているか・どういった風にエンジニアの方に声をかけているのかというところをお話しいただけたらと思っております。
副業人材採用について アンチパターン様より
アンチパターン 小笹様(以下、敬称略):
我々の開発チームは副業の方と、ちょっとフリーランスを混ぜた副業っていうような言い方をさせていただいてますけれども、そのような方々に多く入っていただいてる状況でございます。厳密にフロンドエンドチームとバックエンドチームが分かれてるわけじゃないんですが、どちらを主戦場にしているかで考えると1チーム5,6名というようなチーム構成になっています。チームの半数近く、副業の方がむしろ多いのかなというぐらいの人数感で構成されている状態です。僕らは相当アーリーステージなので、正社員を雇うより早くチームを組成する必要があったため、このような形をとらせていただいております。
また、僕らが大切にしているポリシーがあり、優秀な人は短時間でも成果を出せると考えております。他の企業さんでマネジメントコストがかかるということを耳にしますが、本当に優秀な方の1、2時間は僕も含めた人たちの10時間20時間に匹敵するようなアウトプットを出せると考えており、本当に優秀な方を採用できてますかという話に帰結するかなと思っています。
感覚としては、OSSを作るプロジェクトに参画した時に同期的にミーティングってしたことってあまりないんじゃないかなと思うんですよね。文章をベースに議論してプルリク出してレビューし、取り込んでマージされてみたいな形で、同期のコミュニケーションはなくても対応できるのです。その環境を会社全体で作れば、副業、本業の方関係なく、プロジェクトを進めることができます。そういった環境がちゃんとしている会社が、副業として入る時に一つ見極めていただくポイントになるかもしれません。
あとは、副業の方に対しても最低何時間はコミットしてくれっていうコミュニケーションをとられる企業さんもいらっしゃいますよね。とはいえ副業なので本業に何かしら支障があってはならぬというのが前提としてありますし、私自身もそこを柔軟に受け入れていただける会社の方が増えてほしいなーっていう風にも思っています。実際、稼働時間に波が出ることは受け入れつつも、長い目で見て見た際にはそんなに大きく波は出なかったりします。
この辺の状況の可視化や分析をして、丁寧にお一人お一人とコミュニケーションとっていれば全然問題ないかなと僕らは考えています。
スカウトがしたくなる!エンジニアのプロフィールについて
(イベント参加者の方からプロフィールをご提供いただき、一部をマスクした形で実際に副業スカウトをする視点でプロフィールを見せていただきました)
CASE1
清遠:
まずは1人目です!
小笹さんが副業スカウトをする際にプロフィールでチェックしている点を教えてください。
小笹:
1番最初に私が見るのは、LAPRASさんの特徴でもあるアウトプットの有無と、「やりたいこと」の部分です。特にやりたいことは大事にしており、副業の方のあるあるですが、本業ではエンジニアリングマネージャーのためチームメンバーの教育等の業務がメインとなり、本当は手を動かしたいが出来ていないなどのケースがある思います。そういった場合のニーズは手を動かすことにあると思うので、実際に自社で提供できる業務にギャップがないか?をスカウト時点で判断がしやすくなるかと思います。
実際に1人目の方はやりたいことの部分が今やっていることのような書き方になっているので、「副業としては〇〇をやってみたい」というような具体的なやってみたいことを記載すると良いと思います。例えば、今はPythonを中心にやってらっしゃるということなので、Pythonを使った案件が良いのか、Pythonのライブラリを使って機械学習とかの方をやってみたいのか、別の言語でJavaなどやってみたい、色々あると思うのでご自身の欲求を素直に書いていただいたほうが、スカウトを送りやすいと思います。
CASE2
清遠:
次のプロフィールも見てみましょう。
小笹:
この方もそうですね。やりたいことがちょっと抽象度がやや高いので、本業としてやりたいこと・副業としてやりたいことが違う場合はそれを書いていただけると、より適切なスカウトが送ることが出来るかなという印象があります。この方はどちらかというと、GitHubリポジトリを見て判断する感じになると思うんですが、OSSにコミットしたりしているのかな。
清遠:
おすすめのアウトプットも登録しているようですね。
小笹:
そういうのすごくありがたいです。
やりたいこと・条件みたいなのもご提示いただいてますか?
清遠:
ここは雇用形態だけですね。
小笹:
僕がこの方をスカウトするかという観点で言うと、現状だとやりたいことや条件とかいまいち掴みきれない部分があるので、そこを記載いただくだけでまず候補になり得るかなと思います。
その後にQiitaとかGitHubのリポジトリ拝見して、この方はこういうスキルをお持ちなんだなと確認させていただいてという感じですね。
当社のスタイルではあるのですが、職務経歴をすごく重要視しているという感じではなくて、あくまでアウトプットを重視したいと思ってます。こういったSelectionsに本人おすすめを載せていただいているのはすごくありがたいですね。読み手のことをすごく意識していただいていて、すごく良いなと思いました。
CASE3
清遠:
それでは最後のプロフィールです!
小笹:
興味のある技術、欲を言えばどういう物を作っていきたいと思っているのか・どういうメンバーと協力したいのかみたいなところの解像度まであげていただけるとすごく嬉しいなというところです。
この方の場合は割とOS・クラウド・DBとかその辺が強みのようなので、そういった場合はGitHubリポジトリで読み解けないことがあります。分かる範囲でソースコードベースに判断させていただくんですけれども、仮にインフラ系のタスクとかもやっていきたいとなった場合には、職務経歴の中に具体的なプロジェクトなどを書ける範囲で書いていただいて、アウトプットに代わるご経験の内容を記載いただけるとありがたいですね。
職務経歴だと、プロジェクトの概要や、その担当として設計と製造など工程ごとにお書きいただいていてすごくいいなと思うのですが、こういった課題に対してこういった解決をしてこういう成果を得たよ、のような、自分の誇れるプロジェクト経験とか何かしらの業務経験みたいなところのアピールを含めた内容を記載いただけるとより良いという感じがします。
清遠:
ありがとうございます。お三方とも素晴らしいプロフィールだったなというところですね。+αでこうしたらよりマッチング度が高まるというか、例えば小笹さんと話すタイミングではある程度合意形成ができるぐらいの情報量になるっていう感じですかね。
小笹:
そうですね、この方も読み手を意識していただいてるなっていう感覚があるので、例えばOSSのプルリクに関してもレビュアーを意識されたドキュメンテーションが出来ているかとか、ブログに関しても読み手がいるということを意識されているかということだと思いますね。
今回拝見した方々はその辺りを非常に意識されていると思うので、僕がお伝えさせていただいた内容はより良くするための、より適切なスカウトが届くためのという形です。
僕はスカウトをする数は少ない方がいいと思ってるので、スカウトの数を増やして採用するかどうかを判断するのにものすごい時間をかけるより、スカウト総数は少なく返信や面談率が圧倒的に高いというのが1番望ましい状態だと思っています。僕は採用担当も兼ねているので、ポリシーとしてより適切なスカウトを届けたいし、「もしかしたら可能性があるかもしれません」程度のスカウトはそんなに送りたくない。話して確認しましょうとなってしまうと、どうしてもミスマッチがその時点で起きてしまうので、なるべくこのプロフィールにご自身の要求も含めてワサワサ書いていただいた方が嬉しいですね。
清遠:
ありがとうございます。今日紹介させていただいた方々に関しては特に自分の希望をドンッと言ってしまってもスカウトはくるかなぁとは思うのでぜひそういったところを意識していただくと良さそうですね。
それでは時間がきてしまったので、一旦ここで区切らせていただきます。
最後に小笹様から一言いただいて終わりたいと思います。
一言いただいてもよろしいでしょうか。
小笹:
はい、ありがとうございます。副業の活用というか副業者をより多く増やして行くのは、日本の労働生産性を高める一つの大事なアプローチだと思っています。特に初めての方は心理的なハードルも高いと思うんですけど、ぜひチャレンジしていただきたいなと思いますし、僕も逆に副業採用したいという企業さんをなんとか増やしていけるように啓蒙活動をしていきたいなと思っているので、ぜひ今後ともよろしくお願いします。
清遠:
ありがとうございます。では、本日は以上とさせていただきます。
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