面接やカジュアル面談で「損しない」ために確認しておきたい8のコト

せっかく高いスキルを持っていても、事前の準備不足や、ふとした態度ひとつで損をしてしまうことがあります。

面接やカジュアル面談は、日常にはあまりないイベントなので、ふだんの「生身の」自分のままで突撃してしまったり、ちょっとした油断をしてしまうことで、失敗をしてしまうことは実際に多々あります。

今回は、面接やカジュアル面談で不用意につ評価を落とさないために、事前にチェックしておきたい8のポイントをご紹介します。

リラックスしつつも、しっかり準備した姿勢も見せていきましょう。

1. 自分の「強み」

エンジニアにとって技術力アピールは面接の核ですが、伝え方を誤ると相手に響きません

改めて、面接や面談の前には、

  • 「自分の強い部分」はどこなのか
  • 周りと比べて自分が得意な部分」は何なのか

について自分で言語化しておきましょう。

よくある言い回しですが、結局万能なのは「自分の強みは3点だと思います。1つ目は〜」と、3つにまとめて話す方法です。
最低限、3つにサマライズして、各々に対して具体例を話せる準備をしておくとよいでしょう。

当たり前のことだと思いがちですが、意外と、とっさに聞かれるときれいに答えられないものです。

ありがちな失敗例は、「今までやってきたことをダラダラと最初から説明してしまう」ことです。
特にベテランになればなるほど経歴が長くなり、無意識に順を追って語ってしまいがちです。

「技術的に一番難しかった課題を解決したプロジェクト」や「事業インパクトが最大だった開発」、「周りにはできなかったが自分にはできたこと」「大きく褒められた経験」など、あなたの代表的な強みを表す事例をピックアップし、整理しておきましょう。

「何を伝えたいのか」を決めて、自分の“売り”をシンプルに表現することが面接においては特に大切です。

意外と忘れがちでもあるので、いま一度確認しておきましょう。

2. 「深掘り」質問

エピソードや強みを話した際、「そこをもっと詳しく教えてください」と深掘りされる展開も想定しておきましょう。
特に、ハイスキルエンジニアの方ほど専門的な質問をされる可能性は高いです。

初対面の方に対しても、わかりやすく、端的に、追加で具体情報をしっかり答えられれば、技術力への信頼度がぐっと高まります
自分が扱った技術を具体的に語れるように、ある程度は準備をしておきましょう。

当日、ふいに質問されたことに対して慌てて抽象度の高い話ばかりになってしまえば、本当にちゃんとわかっていたのに、「この人、本当にわかっているのかな?」と思われてしまう可能性があります。

そして当然、昔のことはとっさには出てこないこともあります。事前に軽くでも予習しておくことで、スマートに紹介できるでしょう。
数分だけでも、自分の脳内で、架空面接官をつくりだし、「これってなんでそうしたんですか?」や「より具体の考えについてもう少し教えてくれませんか?」などの想定質問を考えてみて、なんと答えそうか、を考えてみるだけでも変わると思います。

自分の得意技術ごとに深掘りエピソードを整理しておくと安心です。

3. 課題解決力

エンジニアの仕事は課題解決の連続です。

当然、相手も「この人は問題に直面したときどう対応するのだろう?」「課題に対してに対してどう取り組み、どういう態度で挑むのだろう」と関心を持っています。

そこで効果的なのが、自分の「課題解決力」を示す具体的なエピソードを話すことです。

実際に「どんな背景でどのような問題が存在していて」、「それに対してどのように解決策を講じたのか、それはなぜだったのか」を具体的に語ることで、あなたの問題解決能力は正しく評価されます。

たとえば、

  • 重大なバグや障害に直面した経験:それをどうやって発見し、原因を究明し、解決したか。そして再発防止のために何を学び実践したか
  • プロジェクトのピンチを救った経験:納期遅延や仕様変更などに対し、どう問題を整理して打開策を打ち出し、チームで乗り越えたか
  • 新しい技術で課題を解決した経験:従来困っていた課題に対して、自主的に新技術を調査・導入して解決し、成果を出した例

こうしたエピソードは、特に自分では当たり前と思って動いている部分だと、いざ聞かれたときにとっさに説明しづらいこともあります。事前に思い出すことがとても重要です。

できれば課題→行動→結果→学びの順でコンパクトに語れると理想的です。

また、具体的な数字や成果があるととてもわかりやすくなります。
「○○という問題に直面し、△△というアプローチで解決した。結果として障害復旧時間をnn%短縮でき、この経験から□□を学びました」のように話せるパッケージングをしておくとより準備としては安心できます。

困難に直面しても諦めず粘り強く取り組んだ姿勢や、必要に応じて周囲と協力したエピソードがあれば、話のなかで意識的に話してみましょう。

4. 主体的な経験

とくに昨今、「自律的に動けるエンジニア」に対する評価がますます上がっています。

「言われたことだけをやる」のではなく、主体的に課題を見つけ改善していけるかどうかは面接でも重要なチェックポイントです。

あなたの主体性を示す具体的な行動エピソードも思い出しておき、用意しておきましょう。 たとえば、

  • 提案型の行動:現場で課題に気づき、自分から提案して改善した経験。情報共有を円滑にしたり、自分発信で職場を良くした経験など
  • リーダーシップ・フォロワーシップ:小さくてもリーダー経験や、逆にサポート役としてチームを動かした経験
  • 継続的な学習:業務外で自主的に学んだことや成果を出したこと

これらを話す際、「そうした行動が最終的にどんな良い影響をもたらしたか」まで触れると効果的です。
提案した改善でチームの生産性が上がったとか、勉強会のおかげで社内に新技術が広まった等、成果や変化も添えると説得力が増します。

主体性のポイントは、「自分で考えて動いた」ことを具体的に語ることです。ただ漠然と「自主的に動けます」では伝わりづらいものです。

受け身ではなく能動的に動いてきた部分を、せっかくであればきちんと相手に伝えていきましょう。

5. スピード感・効率化

特にスタートアップ企業、ベンチャー企業などでは特にスピード感が求められます

ただ闇雲に速く動くだけでなく、効率よく成果を出す力が重要です。
「スピードも言われてみれば自分の強みだ」と思える方はぜひそれもしっかり伝えましょう。

スピード感を持って行動した結果どんな状態を実現できたか、を具体的な数値を伴ってエピソードで示すことが大切です。たとえば、

  • 対応の早さで信頼を得た例:「クライアントからの問い合わせには基本その日のうち、遅くとも24時間以内に回答するよう心掛けた」「顧客満足度が上がった」「追加発注に繋がった」
  • 業務効率化の工夫:「常にアンテナを張り、業務効率化につながるITツールを積極的に導入しました」「チームでタスクを見える化するツールを導入し、進捗共有がスムーズになり手戻りが減りました」
  • 先手を打つ姿勢: スピード感ある人は受け身ではなく先回りも得意なはずです。「お客様から要望を頂く前にこちらから仕様改善の提案を行い、高評価をいただいた」など、先を読んで動いたエピソードがあれば、それも立派なアピールポイントです

こうしたエピソードを話す際は、「だから自分は御社に入ったあとでも、スピード感を持って貢献できるのではないかと思います」と、企業でどう役立つかまで繋げて考えておくとなおよいかと思います。

注意点としては、スピードを強調するあまり「早いけど雑」だと思われないようにしましょう

効率化の工夫や品質保持とのバランスにも触れて、「早く動くことでチームに良い影響を与えられる」というポジティブな印象を与えましょう。

6. 志望動機

とくに面接の時では、「どうして当社に興味を持ったのですか?」と聞かれる可能性は非常に高いです。

志望動機は準備せずに臨むと、意外と答えに詰まったりします
ここで「いや何となく…有名な会社だったので」「スカウトされたので」などのフワッとした理由を答えるのは絶対にNGです。

熱意が伝わらないばかりか、「この人はうちに入ってくれる可能性がとても低いんだろうな」と思われてしまいます。

志望動機では以下の点を押さえましょう。

  • 「なぜその企業でなければいけないか」。たとえば「御社の〇〇という事業に強く惹かれ、自分もその成長に貢献したいと感じた」「ビジョンやミッション部分に、表層的でなく自分の経験、価値観から共感できた」のように、企業固有の魅力に触れる
  • そして必ず採用側のメリットと絡めましょう。志望動機は自分のやりたいことだけでなく、「自分の経験や強みが御社でこう役立つと考えた」という風に、双方にメリットがある内容を考えておきましょう

その際、できるだけ具体的なエピソードや考えを添えましょう。

「もともと△△の分野に興味があり、御社のブログ記事○○を読んでさらに惹かれました。その知見を深める中で、自分の○○のスキルなら御社で役立てると思ったのです」のように語れば、「ちゃんと調べて熱意を持って来てるな」と思ってもらえるはずです。

これも裏を返せば、事前の企業研究がものを言います
カジュアル面談の段階でも企業のサービス内容や技術ブログに目を通し、自分なりに魅力や感じた課題ポイントを整理しておきましょう。

また、転職理由についても整合性を意識しましょう。
ありがちなのが「現職に不満があって…」というネガティブ動機ですが、それをそのまま伝えるのはあまりにナンセンスです。
もちろん正直さは大事ですが、不満だけを語ると、他責的な人だと受け取られます。

不満が転職のきっかけでも、「より△△に挑戦したくなった」「□□の分野で自分を成長させたい」といった前向きな表現に言い換え、志望企業でそれが実現できるという文脈で語りましょう。

「不満」と「何かをやりたい」という気持ちは表裏一体です
相手にわかりやすく、そして相手のメリットとのつながりを意識して、事前に整理しておきましょう。

7. キャリアの文脈・ビジョン

志望動機とも関連しますが、自分のキャリアの文脈を面接官に伝えることも大切です。
特に年齢を重ねていけばいくほど、「これまで何を積み上げてきて、これから何を目指しているのか」を問われることも多くなってきます。

面接でよくある質問に「5年後どうなっていたいですか?」といったものがありますが、これらにも、完璧でないとしても、ある程度スムーズに答えられるよう自分の軸を整理しておきましょう。

その際、過去から現在に至るキャリアの流れを整理するといいでしょう。
ポイントは単なる出来事の羅列ではなく、自分なりのストーリーを持たせることです。

別にたいそうな夢を語るだけがキャリアストーリーではないと思います。今の段階で明確な将来像が描ききれていなくても大丈夫です。
「○年前は△△ができなかったが、今は□□ができる」と語れば、あなたの成長の軌跡が伝わります。
現時点の実力だけでなく、そこに至るまでにどう成長してきたかも材料になるため、時系列での変化についても整理しておくといいでしょう。

過去から現在にかけてのエピソードから「この人は伸びしろがある」と思ってもらえれば、たとえ現時点で不足があっても高く評価される場合もあります。

事前準備なしで、ただ漠然と「なんとなく転職活動してます」だと評価を下げかねません。
今後のキャリアビジョンについても、まったくの準備ゼロで挑むのではなく、ある程度の整理、事前準備をしておきましょう。

8. コミュニケーション

技術力が高くても、コミュニケーション次第で評価は変わります

あまりに受け身すぎたり、上から目線で話してしまっていたり、質問とズレた回答を何度も行ってしまったりすると、さすがに会社からの評価は下がってしまいます。

また、よく起こりがちなこととして、特に専門的な話になると、つい熱が入りすぎて、一方的に喋りすぎてしまうことがあります。

しかし、面接は「会話のキャッチボール」といわれるように、面接官の質問にしっかり答えつつ、適度に相手にも話す隙を与えることが大切です。

回答はなるべく簡潔にまとて、一つ質問に答えたら、一度区切りをつけて相手の反応を見るクセをつけると良いです。

質問に対して的を射た答えを端的に述べ、その後詳細が必要なら付け加える程度にします。自分ばかりが長々と話し続けていると感じられたらコミュニケーション能力に不安ありと判断されかねません。

ふだんはそうできていても、面接という特殊な、緊張を誘発する場面だと、思っている以上に話しすぎてしまうことは起こります。気をつけましょう。

話し方の基本スキルも侮れません。たとえば声が小さすぎたり早口すぎたりすると、それだけで自信なさげな印象を与えてしまいます。面接では普段より少し意識してハキハキと話すようにしましょう。

そして、こちらから質問することも上手に心がけましょう。
カジュアル面談や面接はお互いを知る場でもありますから、「御社では○○のような開発文化と伺いましたが、具体的には?」「ちなみに△△についてはどうお考えですか?」といった、気になることをいくつか考えておくとよいです。

面接官にとっても自社に関心を持ってくれる質問は嬉しいものですし、会話が双方向に弾めば「この人とは話しやすいな」というポジティブな印象につながります。

誰しもが緊張する面接という場ではなかなか難しい部分もありますが、会話のキャッチボールを楽しむよう心掛けてみるといいでしょう。

さいごに

以上、カジュアル面談・面接で損をしないための8つのポイントでした。

どれも「事前に少し時間をとり、意識して準備するだけ」で実践できるものばかりです。

面談本番で「ああ、準備しといて良かった!」と思える場面がきっとあるはずなので、ぜひ今一度チェックしてみてください。

また、可能であれば身近な人に模擬面接を頼んでフィードバックをもらうのもおすすめです。
面接はどうしても緊張しますが、事前準備のおかげで自信を持って臨めれば本来の実力を発揮できます。

面接や面談は、企業との相性を探る貴重な機会でもあります。
準備万端で臨みつつ、最後はリラックスして会話を楽しんでいきましょう!

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